共通テスト対策まとめ

どんな問題集で勉強をするべきか?

目標点別の教材選びと受験戦略

60点を目指す場合

60点という点数は、苦手な大問や教科を、ある程度捨ててしまっても十分に届く点数です。
例えば、英語のリーディングでは時間が足りないことが多いですが、大問6を捨てて他の大問に時間を割くことで対応できます。
おすすめの教材は『共通テストの点数が面白いほどとれる』『きめる!共通テスト』などです。

70点を目指す場合

苦手な大問があるのは問題ありませんが、苦手な教科があると少し厳しくなります。
おすすめの教材として、先ほどの『共通テストの点数が面白いほどとれる』に加え、『マーク式基礎問題集』で演習量を増やすことをおすすめします。

80点を目指す場合

苦手な大問を捨てることは難しくなります。
特に英語のリーディングでは最後まで解き切らないと厳しいです。
唯一、数学では最後の1問を捨てても80点が取れますが、それ以外の教科では満遍なく勉強する必要があります。
おすすめの教材は、『マーク式基礎問題集』に加えて、駿台の『短期攻略』シリーズで演習量を増やしていくことが重要です。

90点を目指す場合

9割を目指す場合、全ての大問を解けるようにする必要があります。
二次力が必要であり、二次対策をしっかり行った上で共通テストに臨むことが重要です。
おすすめの教材は「センター試験過去問」です。
場合によっては、Z会の予想問題集も選択肢にあがります。

どんな点数を目指すうえでも、やるべき教材

どの点数を目指す場合でも、河合塾の『マーク式総合問題集』や、駿台の『共通テスト実践問題集』に取り組むことを勧めます。
マークシートに塗る練習や、時間配分の確認ができるので、本番で慌てずに対応できます。これらの問題集を活用し、自分の目指す点数に向けて勉強を進めていきましょう。

どの問題集から優先的に終わらせるか。

優先度S

最優先は「共通テストの過去問」です。
また、過去のマーク模試の解き直しも優先度が高いです。

優先度A

次に、河合塾の『マーク式基礎問題集』と駿台の『短期攻略』です。
最悪、どちらか片方でもいいので、必ず取り組むべきです。
なぜなら、基本的な問題を落とさないために重要な演習だからです。

また、学校でもらうことが多い「パック問題集」や「実践対策問題集」も優先度が高いです。特に、「駿台」や「河合」の実践対策問題集は本番で出る可能性が高い問題を含んでいるため、しっかり解けるようにしておくべきです。

優先度B

次に「センター試験の過去問」です。
特に「数学のベクトルを強化したい!」など、分野ごとの勉強に役立ちます。

問題集であれば、「共通テスト スマート対策」、「旺文社の実践対策問題集」なども選択肢にあがります。
かなり余裕があれば、「Z会」の問題集に取り組むのもOKです。

優先度C

『共通テストの点数が面白いほど取れる本』
『きめる!共通テスト』シリーズ
『1冊でしっかり解ける本』シリーズ
なども良著ですが、これらは基本的な勉強の仕方や傾向と対策が分からない場合にのみ、使用してください。

共通テストの問題集で他にやるべき教材は?

共通テスト対策の教材は、他にもいろいろあります。 英単語帳として、『共通テスト対策英単語1800』という単語帳がありますが、まずは手元の教材を固めてから勉強することをおすすめします。

リスニングが苦手であれば、『共通テストの点数が面白いほど取れる本』をおすすめします。

また、英語以外の教科であっても、コンパクトに勉強するのであれば、『集中講義』シリーズも選択肢にあがります。

篠原塾では、総合的な演習として最も手をつけやすいのは「代ゼミ」ですが、最近は生徒に指定することは少なくなりました。
優秀な生徒さんには、「Z会」の教材も、まれに提案します。
最もレベルが高く、時間が余っている場合にのみおすすめします。
特に難しい問題に対応するために有効ですが、共通テスト対策としてはやや過剰かもしれません。それでも、問題の質が高いため、例えば併願校として難関私立大学を検討している方には提案することもあります。

勉強スケジュール

共通テストまで、残り50日

11月中旬からは、共通テスト対策を8割、他の勉強を2割の割合で進めましょう。
最初にすべきは、これまで受けた模試の解き直しです。
どういうところで失点をしているか、改めて分析と復習をします。

続いて、過去問を解きます。共通テスト本番の雰囲気を感じ取ってください。
過去問は温存せず、全て解いてしまって構いません。

もし目標点に近い点数が取れている、あるいは、取れそうであれば、ひとまずはOKです。
一方、点数が取れない教科がある場合、『共通テストの点数が面白いほど取れる本』を使って理解を深めてください。
問題数は少ないですが、解説が分かりやすいです。

共通テストまで、残り30日

12月に入ってからは、基本的に共通テスト対策に全振りしてください。
共通テスト対策を10割、もしくはどうしても必要な部分だけを残して9対1の割合で進めましょう。
特に、二次対策をやりたいなら、応用数学に重点を置くことをおすすめします。

この時期のおすすめの教材は『マーク式基礎問題集』です。
この教材は共通一次試験の時代から改訂を重ねてきた信頼性の高いものです。
6割から7割の得点を目指す受験生に特に有用で、基礎からしっかりと学ぶことができます。解説も丁寧で、レベル感も適切です。

一方で、既に8割以上の得点を取れている場合は駿台の『短期攻略』をおすすめします。
この教材は難易度が高く、共通テストの様々な角度からの問題に対応しています。

共通テストまで、残り20日

最も重要なことは生活習慣を整えることです。
約20日間で生活習慣を無理なく変え、絶対に風邪を引かないようにしましょう。 特に6時半から7時に起きる習慣を身につけ、夜12時に寝ることを心がけてください。

おすすめ教材は、河合塾の『マーク式総合問題集』です。
全体の問題を通しで解く練習をしましょう。
問題演習を通じて、自分の弱点を言語化し、ノートにまとめてください。
これにより、同じミスを繰り返さないようにすることができます。

また、自分の欠点を補うために「センター試験の過去問」を活用しましょう。
例えば、数学の確率や国語の古文など、特定の分野だけを重点的に遡って解くことが効果的です。

共通テストまで、残り10日

最も重要なのは体調管理です。
風邪を引かないようにしっかり管理し、朝6時半から7時に起きる習慣を続けてください。元気に試験会場に行けることが最優先です。

おすすめ教材は、駿台の『実戦対策問題集』です。
これまで基礎問題集や短期攻略で個別の問題に対応する力を養ってきましたが、最後の仕上げとして総合問題集を使って全体の問題を時間内に解く練習をしましょう。
特に駿台の問題集は、予備校の先生が作成したもので、実際のテストに近い問題が多くあるので取り組みましょう。

さらに、弱点を補強したい場合は

・「センター試験の過去問」
・「旺文社の実践対策問題集」

などを使うことも効果的です。
苦手な分野に特化して練習することで、弱点を克服してください。

また、これまで使用してきた教材を見直し、知識の整理を行うことも大切です。
例えば、古文常識や古文単語帳を再確認し、基礎を固めましょう。

自分の間違いを言語化し、ノートにまとめて振り返ることで、同じミスを繰り返さないようにしましょう。
これにより、問題演習でのミスを減らすことができます。

最後に、自分を客観視するために親への感謝の手紙を書いてみてください。
これは感謝の気持ちを再認識し、冷静に試験に臨むための一助となります。

試験前日と、当日の動き

試験前日の動き

まず、前日の夜は0時までに寝ることを心がけてください。
生活リズムを崩さず、普段通りに寝て起きることが重要です。朝6時半から7時に起きる習慣を続けましょう。

次に、試験会場の下見に行くことをおすすめします。
自宅から試験会場までの所要時間や交通経路、混雑具合を確認し、会場に到着したら校舎の場所、トイレの位置、近くのコンビニや自動販売機の場所を把握してください。
試験当日に迷わないように、校舎の正門から目的の教室までの経路も確認しておきましょう。

下見が終わったら、11時30分頃に帰宅し、手洗い・うがい・アルコール消毒を徹底してください。
昼食は普段と同じものを食べることを推奨します。特にコンビニのおにぎりは安定した品質なのでおすすめです。

昼食後は絶対に昼寝を避けてください。
無理に勉強をする必要はありません。映画を観るなどして過ごすのも良いと思います。
勉強をするなら、軽い復習程度に留めてください。

夕食後の19時から21時の間に、明日の準備を行います。

  • ・受験票
  • ・筆記用具(中身までちゃんと見ること)
  • ・時計
  • ・現金(1000円札で、1万円分程度)
  • ・スマートフォン
  • ・教材(お守りの代わり)
  • ・メガネ、目薬、カイロ、手袋など

また、22時以降はスマートフォンを触ることを避けましょう
眠れなくなってしまうからです。

当日の動き

前日の夜は、スマホの電源を早めに切って、夜0時には寝てください
6時半に起きましょう。

バッグの中身を最終チェックします。

  • ・受験票
  • ・筆記用具(中身までちゃんと見ること)
  • ・時計
  • ・現金(1000円札で、1万円分程度)
  • ・スマートフォン
  • ・教材(お守りの代わり)
  • ・メガネ、目薬、カイロ、手袋など

朝に勉強するとしても、軽く1教科目の復習をしましょう。
そして、8時に出発、8時45分に会場に到着するようにしましょう。

会場に到着したら、自分の席を確認し、トイレで自分の顔を見て冷静さを取り戻してください。
他の受験生を観察し、自分だけでなく皆が頑張っていることを感じるのも良いと思います。

次に、自分のお守り代わりの教材を見て、これまでの努力を振り返り、自己を鼓舞してください。
試験開始前にはスマホの電源を切り、呼吸を整えましょう。
5秒吸って、3秒止め、12秒かけて吐く呼吸法がおすすめです。
リラックスして試験に臨む準備をしましょう。

この記事の最後に、僕が試験をたくさん受けてきたうえで、3つ、言葉を贈ります。

ベストコンディションなんて望むべくもない。

受験当日はベストコンディションを期待せず、どんな状況でも最善を尽くす心構えを持ってください。
僕はこれまで、たくさんの「本番」を迎えましたが、ベストコンディションだったことは1回もありませんでした。

成功する受験生は、満身創痍の戦士である。

成功する受験生であればあるほど、過去に失敗をしてきています。
多少難化したり、傾向が変わったりしても、過去の自分が支えてくれます。
最後まで、投げやりになることだけはせず取り組みましょう。

あきらめるな。

試験中に焦ってしまったりした場合は、深呼吸して落ち着き、『諦めるな』という言葉を思い出してください。

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